キャリア志向による晩婚化のためか、高齢出産をする人が年々増えているというのだが――厚生労働省の平成21年人口動態統計月報年計(概数)によると、出生数を母の年齢別にみて、15~34歳及び50歳以上では前年より減少したが、35~49歳の各階級では増加となり、第1子出生時の母の平均年齢は上昇傾向にあるという。

キャリア志向による晩婚化のためか、高齢出産をする人が年々増えている。

現代美術の企画コーディネーターというキャリアを持つキミさん(40歳)は、39歳で結婚、40歳で第1子を出産。不妊治療を受けている同世代の友人が数人いるため、キミさん自身も40代での妊娠は簡単ではないと思っていた矢先の自然妊娠だった。

高齢出産は様々なリスクがあると言われているが特別な不安もなく、病院も自分が納得できる産科を選んだ。そして、高齢を理由に特別視されることもなく無事出産に挑み、元気な赤ちゃんを産んだキミさんだが、産後の肥立ちは良くなかったという。

「筋肉痛や疲れがなかなかとれなく、母体の回復が遅かったです。これが年齢の差? 高齢出産の現実かもしれません。それでも、私の周りには35歳を過ぎてから結婚・出産する人が本当に多い。自分らしく活き活きとしている現代のアラフォー世代は昔と比べると、見た目も若々しくて元気で素敵な女性ばかり。母体が老化していないということは妊娠、出産もがんばれると思います。子どもとしては、若いお母さんの方が良いのかもしれませんが―――」。

また、外資系航空会社勤務を経て、結婚後もアルゼンチン、ガーナ、ハイチ、ヨルダンなどに滞在していたサクセス国際結婚ナビゲーターのフィダンザ奈美さん(40歳)は、今年4月に待望の第1子をアルゼンチンで出産。

「日本では35歳を過ぎると高齢出産と言われますが、アルゼンチンの産科では年齢について何も言われません。逆に心配になって『私は今39歳で、出産のときは40歳ですが…』と聞いちゃいました。聞くと、アルゼンチンでは平均一世帯3~4人の子供を持ちます。3人目4人目になると40歳すぎで出産する人も多く、特に珍しくないとのことでした。私の経験上、年齢のことよりもむしろ、健康面に注意を払ったほうがいいと思います」という奈美さんは、普段から高血圧気味のため、妊娠5ヶ月の健診以降、出産まで外出禁止の絶対安静の生活を送るハメになったそう。

「高齢出産は体力が持たないとか言われますが、今のところ特に問題ありません。育児は毎日新しい発見があって楽しいですが、子どもが小さいうちはいろいろと不自由な生活でもあります。それでもこういう生活を“楽しい”と思えるのは、やりたいことを一通り経験したからこそ感じられるのでは。20代の頃の自分が、今の生活を楽しいと感じられるか正直分かりません。もちろん、産んで終わりではなく育てるわけですから、あまり遅くないほうがいいんでしょうけどね」

ここで、高齢出産を楽勝と思ってはならない事実も知っておいてもらいたい。30代後半で「そろそろ子供がほしい」と思っても、なかなか妊娠しないという現実が多くある。高い医療費を払い不妊治療を行っている夫婦も少なくない。また、子宮筋腫など現代の働く女性たちに多い婦人疾患による不妊、染色体異常や流産、高齢になるにつれ卵子は老化し、様々なリスクを背負うかもしれない現実問題を忘れてはいけない。

では、今後妊娠を望む独女たちが気をつけるべきことは何か? 毎週六本木で街角女性無料相談室を行っているDr.赤枝こと、赤枝六本木診療所の赤枝恒雄院長に「赤ちゃんができやすくなる体づくり」に必要なことを伺った。

「過労や睡眠不足など不規則な生活を送ったり、ストレスを溜めるのが一番いけません。規則正しい生活を送り、運動をしていれば自然排卵が起こり妊娠しやすくなります。そのためには、エアロビック運動、つまり早歩き運動や水泳など酸素を体内に取入れる有酸素運動をすること。早歩き運動なら週2~3回20分間持続すること。後はストレスを溜めない、おしゃべりしたり、涙を流したり、とにかくストレスを排出すること。不妊治療を行っていた人が、治療をやめたとたん妊娠するというケースもよくあるんです。『赤ちゃんがほしい』がために、プレッシャーになってそれがストレスになります。一喜一憂してはダメ。とにかく、運動不足とストレスが不妊の一番の原因ですから」

現在妊娠7ヶ月のケイコさん(38歳)は、仕事に趣味にストレスフリーの妊婦ライフを送っている最中だ。

「働きやすい職場なので9ヶ月目まで続ける予定です。バンドでベースを弾いたり、水泳、料理教室、お笑いイベントなどへ行ったりと妊娠前と変わらず楽しんでます。“母体がハッピーなら胎児もよく育つ!”と信じて。今までやりたいことをやってきて、気づいたら高齢妊婦。人生を十分楽しんできたからこそ、子供が産まれたら今度は育児に専念しようと思っています。だとすると今を楽しまなきゃもったいない!」(ケイコさん)

高齢出産はリスクが多いと言われているが、今まで培ってきた様々な経験があるからこそ乗り切れる気がする。「女は弱しされど母は強し」の時代は終わり今や「女は強しまた母も強し」の時代である。

■取材協力
赤枝六本木診療所

この記事の執筆者

堂ナツコ

堂ナツコ

フリーペーパー編集、制作会社勤務を経てライターに。得意分野は大人女子のお話、フランスのお話、サブカルチャー、占い、その他ジャンル問わず取材記事を執筆。
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