専業主婦志向の女性が増える中、結婚後も資格を活かしてしっかりと働いていきたいと考えているサチエさん(34歳・医療関連)。かねてから気になっていた男性・Tさん(32歳)とのデートで「自立した働く女性が好き!」と言われ「脈あり」と感じたのだが…。

「彼は、趣味の写真に収入のほとんどをつぎ込んでいるみたいです。もし結婚しても、今のレベルで写真を続けたいから、お互いに自分の生活費を出せる働く女性がいいんですって。『結婚しても自分の収入は自分のために使いたいよね』って言われて、なんか違うなって思いました」とサチエさん。

勤務先も見た目も申し分がないTさん。友人たちからは「結婚すれば変わるかもしれないし、もう少しおつきあいしてみれば」と言われたらしいが、「気持ちが冷めてしまって、その気にはなれない」とがっかりした表情でサチエさんは話してくれた。

第13回出生動向基本調査によれば、独身生活最大の魅力は男女共に「行動や生き方が自由」であること。男性の場合は、次いで「金銭的に裕福」、「家族扶養の責任がなく気楽」と続く。独身であれば、Tさんのように収入のほとんどを趣味に使っている人も珍しくはないだろう。

しかし、最初に『結婚しても自分の収入は自分のために使いたいよね』と言われてしまっては、なかなか先には進めない。子育てで、妻の収入が激減したときはどうなるのだろうか? などいろいろな不安がよぎる。長い人生を共にしていく結婚はルームシェアとは違うのだ。

「結婚願望はありません。だって妻子にお金をつかいたくないですから」と公言するのは、Sさん(41歳・広告代理店)。趣味のバイクに収入の大半をつぎ込んでいる。

「家事も普通にできるし、結婚する必要性を感じないんです。妹のところは3人子どもがいて、生活費や学費で大変そうですし、義弟も疲れています。それを見ていると結婚したいっていう気持ちはしぼんでいきますよ。同僚たちは住宅ローンや子どもの学費に追われているし、離婚した友だちは養育費の支払いが大変だって嘆いています。自分が稼いだお金を自分のために使えているオレの方が幸せかもってよく思います」(Sさん)

Sさんは、以前は年上の既婚男性から「男は妻子を養って一人前」とよく言われていたが、40代になってからは何も言われなくなった。反対に、同世代からは「Sは身軽でいいよな」と言われることが増えている。

独女たちはSさんのことをどう思うのだろうか?

ユカさん(独身/38歳・会社員)からは「気持ちはよくわかる」という答えが返ってきた。「姉から子育てや夫の愚痴を聞く度に結婚願望がなくなっています。バツイチの友人も増えていますし…。子どもや家族にお金がかからない分、私も趣味のダンスや旅行にお金を使っています。楽しみがあるから働けると思えば、Sさんの気持ちはよくわかります」と話してくれた。

独身の兄がいるモトコさん(既婚/40歳・パート)の場合は、少し意見が異なる。「両親が元気なうちはいいけれど、介護のこともあるし、年をとってから病気やケガをした時のことを考えると家族がいないのは心配です。妹さんに金銭的な負担をかけないように、Sさんにはしっかり貯金はしておいて欲しいと思います」

サオリさん(独身/39歳・公務員)からは、次のような意見が…。「年をとったら、寂しいこともあるかもしれませんが、そのころにはきっと独身仲間もたくさんいますよ。結婚後、生活費を家庭に入れない男性に比べたら、独身のSさんは誰にも迷惑をかけていないわけですから、特に問題はないと思います」

サオリさんの友人は、結婚して半年たったころから夫が生活費を入れなくなり、近々離婚するのだという。「結婚前は、記念日にはプレゼントを欠かさないような男性だったんです。結婚後、生活費のことで何度かケンカをしたとは聞いていますが、まさかこんな展開になるなんて思ってもいませんでした」とサオリさん。

『自分の収入は自分のために使いたい』という男性を好きになったなら、あるいは交際相手が『自分の収入は自分のために使いたい』という人だったら、例え交際してきた年月が長くても、一度冷静になって先々の人生について考えてみたい。自分と彼との一緒の将来が描けないのなら、運命の男性はきっと別にいるだろう。(オフィスエムツー/神田はるひ)

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この記事の執筆者

神田はるひ

神田はるひ

埼玉在住。メーカー勤務を経て、紆余曲折の末フリーライターに。コラムやエッセイの他、メルマガ制作やコピー制作など守備範囲は広い。趣味は料理と散歩。冷蔵庫にある物を使って作る創作料理には定評がある。占いによると「大器晩成」らしいが、まだそのときはきていないらしい。
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