0528_otonajyoshi人気テレビドラマの映画化。今となっては何も珍しい事では無く、最近では人気が無かった作品でも映画化されてしまうほどだ。テレビドラマが映画化されるメリットは「大好きな作品の心地良い空気感をまた味わえる」ところにあるだろう。

『相棒』『ルーキーズ』『海猿』など、超人気ドラマの映画化はどれも大成功。もちろん、映画ならではのスケールの大きさや、ドラマでは出来ない複雑なストーリーも魅力だろうが、多くの人は「あのキャラクター達にまた会いたい!」と映画館に訪れ、ホクホクした満足感と共に家路につくのだろう。

そういった意味で、6月9日に公開される映画『ホタルノヒカリ』はドラマファン大満足の仕上がりだ。主人公・蛍(綾瀬はるか)と高野部長(藤木直人)のハネムーン旅行をテーマに、舞台はローマに移ったものの、ドラマのまったり、のんびり可愛い雰囲気はそのまま。

松雪泰子演じるローマ在住の干物女や、彼女の弟など新キャストが登場し、高野部長が突然消息を絶つ! というトラブルもあり、2時間弱の映画はそれなりにドタバタするのだが、さすが“ゴロゴロ~マ”な新婚旅行。蛍のマイペースさは相変わらずなのである。

ドラマファンで無くとも、テレビCMや映画館などで予告編を観た方は分かると思うのだが、とにかく綾瀬はるかの可愛さが爆発しているのがこの作品。ローマでもトレードマークの“チョンマゲ頭”は健在で、夫の「ぶちょお」とお揃いのジャケットを着てローマ観光、石の階段をゴロゴロと転げまわる姿に、心の中で「萌え死にするわ!」と叫んだほど。

また、ローマ版干物女のキャラクターも面白い。“干物女”とはそもそも、仕事や家の外ではしっかりしているが、家の中ではズボラな女性を指すが、綾瀬はるか演じる蛍は、外でもフワフワ柔らかい雰囲気がにじみ出ている。しかし、松雪泰子演じる莉央の様なキリっとした美女がジャージ、ちょんまげ姿で登場するのはさらにギャップがあってたまらない。

蛍も莉央も、ベースが美女だけあってだらしない格好をしていても全く下品ではない。実際にオトナの女性がちょんまげジャージ姿で、寝転びながら缶ビールを飲んでいたら、それはそれでちょっとしたホラーだと思うのだが、2人はそんなこと全く感じさせないのである。

しかし、逆に考えれば干物女でいても許されるのは、見た目と雰囲気の可愛らしさがあってこそ。「蛍があんなに可愛いんだから、自分もこうでいいんだ!」等という都合の良い話は実際には通用しないのである。映画を観ながらふとそんな事を考えてしまった。

もちろん、映画はとびきりキュートで元気が出る内容なので、こんな筆者のネガティブな考えは忘れて思い切り楽しんで欲しい。『ホタルノヒカリ』はリアルな部分もありつつ、基本は女子の憧れがつまったオトナのおとぎ話。だって、あんな素敵な「ぶちょお」と、素敵な縁側がある生活。夢のような世界だ。 (中村梢)

■公開情報
ホタルノヒカリ
(C)2012「映画 ホタルノヒカリ」製作委員会
2012年6月9日(土)全国東宝系ロードショー!
配給:東宝