何かわからないけど漠然と不安になる、ふと意味なく人生に疲れた気がする、辛いわけではないのに泣きたくなる、明るい笑顔で「幸せ」言い切れない…。そんな女性たちにお勧めなのが『女地獄の歩き方』(マガジンハウス/ツノダ姉妹 著)。著者・ツノダ姉妹が「女の人生に待ち受ける地獄」を赤裸々トークで案内してくれる。

現在、マーケティング会社を営むツノダ姉妹は、昭和生まれの昭和育ち、バブル全盛期に20代を過ごした「バブル女」。姉は、慶応大学卒、代議士秘書、広告代理店勤務を経て、マーケティング会社を起業。現在、同社代表取締役。同じく慶応大学卒の妹は、ソニー、日本テレビを経て、現在は姉が起業したマーケティング会社の取締役に。

肩書きだけ見れば、世の中の女性たちがどんなに欲しくても、手が届かない素晴らしいキャリアの「美魔女」だが、その実情は…。姉は、自意識肥大、転職ジプシー、年上男性との同棲、アラフォーでの“困惑デキ婚”と泥沼離婚を体験。一方妹は、不倫に二股恋愛、無自覚メンヘル、晩婚、不妊治療の後の出産…と、まさに「女地獄」のフルコースを体験している。

気になる同書の内容は…。前半(第2章)では、自意識肥大の「恋人待ち受け地獄」、モテを勘違いの「恋愛数珠つなぎ地獄」、主婦やフリーターを待ち受ける「まずは資格地獄」、中身なし実力なしでも上から目線「勘違いキャリア地獄」、一生後悔が続く「不純不倫地獄」をぐるりと巡る。

中でも気になるのは「不純不倫地獄」だろう。「不純不倫」とはお互いの家庭や仕事など大切なモノを失うつもりがない火遊びのこと。ピュアな不倫との違いは、相手に離婚話が出たときに「嬉しい!」ではなく「ヤバイ!」と思う点だという。ピュアであっても無くても、貴重な女の旬を無駄遣いであることに変わらない。心に留めておきたい「女地獄」といえる。

読み進むほどにディープになっていく「女地獄」の後半(第3章)は、アラフォーでの「困惑デキ婚地獄」、名声欲と野望ストレスによる「無自覚メンヘル地獄」、愛憎渦巻く茶番劇「離婚訴訟地獄」、そして、終わりなき迷宮「不妊治療地獄」。読み終えたとき思わず「私は平凡な人生で良かった」とつぶやく独女&既女も多いかもしれない。

後半で特に心に留めたいのは、ツノダ姉が体験した「困惑デキ婚地獄」からの「離婚訴訟地獄」だ。妊娠を理由に「本当にこの男性でいいのか」という迷いに蓋をして、結婚に突き進んだ結果の家庭不和と長引く「離婚訴訟地獄」にと突入する。経営者として働くツノダ姉と超イクメン夫という“逆転夫婦”の特殊事情を差し引いても、深く考えさせられる「女地獄」だ。

姉妹が20代を過ごした昭和バブル頃と平成の世では、政治も経済事情も大きく変わっているのだが、女性が恋愛や結婚、結婚生活で直面する悩みは変わらない。「私ってなんて不幸なの」と心が折れそうになったアナタも、図太く生きるツノダ姉妹に触れれば、立ち上がる勇気がきっと湧いてくるはず。

もちろん「他人の不幸は密の味」とばかりに好奇心で読むも良し、反面教師的に読むも良し、「女地獄」に堕ちる前のストッパーとしても役立つはず。皆で回して読んで、「女地獄」について語り合う女子会なんていうのもお勧めだ。(オフィスエムツー/神田はるひ)

独女通信 配信中!フォローして下さいね!

この記事の執筆者

神田はるひ

神田はるひ

埼玉在住。メーカー勤務を経て、紆余曲折の末フリーライターに。コラムやエッセイの他、メルマガ制作やコピー制作など守備範囲は広い。趣味は料理と散歩。冷蔵庫にある物を使って作る創作料理には定評がある。占いによると「大器晩成」らしいが、まだそのときはきていないらしい。
公式ブログ