「知的な男性が好き」という女性は多いと思う。知的な男性が嫌いという人はほとんどいないだろう。“知的”という表現には色々なニュアンスが含まれていて、単純に「勉強が出来る」だけでは無く、その人の生き方自体が関わってくる。女たちは男性との会話の中の何気ない一言で「この人は頭が良くて素敵」(またはその逆)と感じるわけだ。

非常にベタではあるが、女性は男性に新しい何かを教えてもらうという出来事に弱い。パソコンのショートカットキー一つだって、サラリと男性に教わったら感激するし、自分の知らない事を知っている人というのは非常に魅力的なのである。

そんな女性の知的好奇心を刺激するのが、10月27日に公開される映画『危険なメソッド』だ。

『危険なメソッド』は、若き心理学者ユングとユングの師匠フロイトと、一人の女性・ザビーナの三角関係を描いた史実に基づく物語。フロイトとユングはロシア人女性患者の研究を進めていく。ユングは治療の中でザビーナの心の奥にあるマゾヒスティックな性癖にたどり着き、ザビーナもユングを求め2人は結ばれる。しかし、次第にすれ違っていく2人は言い争いも多くなりザビーナは「フロイトの患者になる」と言い残し去っていく。

フロイトとユング。心理学に詳しく無い人であってもこの名前なら知っているだろう。この偉大な心理学者2人を翻弄し、危険な関係を築き上げていくの、キーラ・ナイトレイ演じるザビーナは本当に美しい。本作ではヌードシーンにも挑戦している。

心理学を専門に研究している2人でも自分自身のこととなると、なかなか思う様に感情をコントロール出来ない。そこにこの作品の一番の面白さがあるが、ザビーナの妖しい魅力には同性でも虜となってしまうだろう。

彼女にはもちろん容姿の美しさがあるが、元が精神病患者であるから、その感情の振り切れ具合といったら目を見張るものがある。言い方は悪いがそのメンヘラ力 に2人の男は魅了されてしまうわけだ。

ザビーナは2人の関係を壊そうとしているのか、それともただ単純に誰かに依存してしまうだけなのか。本作では、3人の複雑な心理状況が非常に繊細に描かれているが、筆者はザビーナが、知的な男性が愛に翻弄され弱っている姿にたまらなく魅力を感じたのではないかと思う。

女は知的な男性に惹かれる。そして、それ以上に知的な男性が弱っている姿に惹かれるのではないか。ユングを演じるマイケル・ファスベンダーの大人の色気も十分に堪能して。(中村梢)

『危険なメソッド』
10月27日(土)TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ他全国ロードショー。
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配給:ブロードメディア・スタジオ