126_420日本のSNS利用者数はおよそ5000万人。フェイスブックやツィッターを開けば、友だちのプライベートがどんどんアップされてくる。SNS疲れ、SNS依存症という心の病も問題視されている一方で、月に1度もフェイスブック、ツィッターにアクセスしなかった人は約4割というデータも(※1)。

半数近くも存在する、登録するだけ登録してほとんど発言をしない人たち。彼女らはなぜ口をつぐんでいるのだろう?

「フェイスブックに書き込むのは、2~3カ月に一度」という遥さん(34歳)は、頻繁に自らのハッピーライフを投稿する人に違和感があるそう。

「有名人でもない、仕事で使っているわけでもない単なる一般人が、頻繁に写真をアップしたりつぶやいたりするのは虚栄心の裏返しだと思うのです。フェイスブックで再会した中学校時代の同級生は、海外旅行、歌舞伎鑑賞、ネイルなどの話題がぎっしりで、SNSではリア充風。ところが他の友人から聞いた彼女の現実は、数年前に付き合っていた元彼と未だによりを戻したくて、占い師のもとに通っているなど、パッとしないものでした。だからこそ、ネットで他人をうらやましがらせたかったんでしょうね。しんみりした気持ちになりました」

他人のふり見て我がふり直せ。それまでは、遥さんも特別なイベントがあったときにちょこちょことSNSに写真を投稿していたが、“寂しがり屋のリア充自慢”と誤解されるのを避けるためにやめてしまったとか。咲江さん(31歳)も「SNSに投稿することで、他人から“かまってちゃん”と思われるのが嫌」。

「さほど親しくなかった同級生から承認依頼があり、SNSで友だちになりました。彼女は子持ちなのですが、1日に何度も育児ネタをアップ。写真だけならまだしも子どもが公園で遊ぶ様子の動画もあり、うっとうしく感じるように。ママ友いないんですかね? で、なんで私たちネットの知り合いが相手してあげなきゃならないんですかね?」

そうかといって、「嘘偽りなくリア充ライフを送っている友人たちに囲まれるのもキツイ」と靖子さん(39歳)。

「学生時代にグループで仲良くしていた女友達は、何の因果かみんなプチ玉の輿にのって、セレブ妻を満喫中。ハワイに長期滞在しているとか、結婚記念日は夫とウエスティンでディナーだとか、タイムランには優雅なファミリー写真がどんどんアップされてくるんです」。ブラック企業にお勤めの靖子さんは「納期がギリギリで、今月3回目の徹夜デス☆」くらいしか話題がなく、何も言えねぇ状態だ。

意外なところでは、「まだガラケーなので、アップするのが面倒」という由梨さん(37歳)の意見。

「SNSはパソコンからチェックしているので、投稿するには写メをパソコンに送る手間が必要に。そこまでしてみんなに伝えたいことはないですね。ただ連絡ツールとしては重宝しているので、登録は解除しません」

真紀子さん(37歳)は、スマホを所持しているがあえてSNSにはアクセスしないようにしている。ストレスのはけ口をSNSに求めてしまったことがあるからだ。

「後輩の無能っぷりに日々イライラ。ツィッターでかなり愚痴をつぶやいた時期があったのですが、冷静になって読み返すと、むしろイタイのは自分のほう。炎上しなくてよかったですよ(笑)。かまってちゃん、からみ屋、自慢しいと、SNSは混沌としていますが、それはネットが気軽に本音を吐露できてしまうツールだから。自制心が効かない人ほど、使い方には注意が必要だと思います。私は自制心が効かない人間なので、物理的に距離を置くことにしました」

誰だってドロドロした恥ずかしい本音を抱えている。投稿やつぶやきであからさまに自己顕示欲を誇示しないまでも、嫉妬を感じる投稿に「いいね」を押さなかったり、うすら寒い感動話をシェアして善人ぶりをアピールしてしまったりする。誰かが気付くわけではない。自分で自分の愚かさにうんざりしたとき、SNSをやめたくなるのだ。

「結果、何もつぶやかないほうが、ミステリアスでリア充に見えるのかもしれません」と真紀子さん。SNSの先駆けである「mixi」が日本で公開されてから、そろそろ10年。「SNSなんて面倒くさいじゃん」という人が、なんだかイケてるように見えてきた。(来布十和)

※1 データ元:主要SNSアプリの4月の月間アクティブ率/App Ape(国内10万台のAndroid端末をサンプリング)


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この記事の執筆者

来布十和

来布十和

出版社、編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーランスライターに。中学生向けから主婦系まで女性誌を中心に幅広く執筆活動を行っている。得意分野は美容、料理、30代女性の恋愛&結婚ネタ。