今、スポーツクラブが男女の出会いの場として注目されている。クラブに通うのはあくまでスポーツが目的だが、顔見知りになれば話をするきっかけができる。普段の出会いでは気づかない男性の魅力を発見できることもある。

「最初の会話は、『泳ぎうまくなりましたね』でした」というマナミさん(30歳)。
体力づくりが目的だったので、ひとりで黙々と泳いでサウナに入って帰宅というパターンだったが、同じ時間帯にレッスンを受けていた彼に声をかけられ、普通に話すように。

「彼と私の会社が近かったこともあり、ランチの店の話題になり、初デートは平日のランチでした。そのとき、彼は私の顔をじっと見つめていたんです。プールではスッピンなので化粧をした顔は初めて。後で聞いたら見とれていたそうです(笑)」

交際半年、土曜日も2人でスポーツクラブに通っているそうだ。

スポーツクラブに意中の男性がいるというミチルさん(29歳)
「彼はマシンルームでいつも黙々とトレーニングに励み、トレーニング・マシンを使用した後は必ずマシンの背もたれをタオルで丁寧に拭いているんです。そういうマナーのある男性ってなかなかいないじゃないですか」

話しかける勇気もなく、彼の姿が見えるマシンを選んではトレーニングをしているミチルさんだったが、先日ミチルさんの前に一人の男が立ちはだかった。

「いつもトレーニングをしないで、若い女性や女性のインスラクターに話しかけている、50代くらいの迷惑なおじさんなんです」

無視もできず困った顔でトレーニングを続けていると、突然前方のマシンから憧れの彼がミチルさんの元にやってきた。迷惑おじさんに向かって、「トレーニング中は静かにしてくれませんか」とびしっと言ったのだ。

もう素敵すぎて! お礼を言ったのがきっかけで彼と会話ができるように。まだ付き合うまでの関係にはなっていないが、会話ができるようになっただけでも嬉しい第一歩だという。

「インストラクターはモテるんですよ」という綾さん(33歳)。初めてスポーツクラブに入会した当時、20代前半のイケメンインストラクターに一目ぼれをしたという。綾さんだけではない。女性会員の多くが彼を狙っていた。自分のメールアドレスを書いたメモを渡したり、彼のアドレスを聞きにいく会員もいたが、彼は規則で個人情報は教えられないとやんわりと断った。

既婚女性たちにもファンが多く、その中の一人が彼の個人情報を聞き出すことに成功。イケメンインストラクターは学生結婚をしていて子供が2人もいたのだ。

綾さんもがっかりしたが、一番がっかりしていたのが60代の既婚女性。
「小さなスポーツジムを作るのに、2千万円くらいなら支援してあげようと思ったのに、結婚しているならやめだわ」とぽろり。

インストラクターはモテる! と断言したいところだが、ジムでトレーニング中に見るインストラクターは誰にでも魅力的に見えることがあるらしい。

カナダの心理学者、ダットンとアロンによって発表された「吊り橋理論」をご存じだろうか? 「揺れる吊り橋」と「揺れない橋」の上での男女の出会いを実験によって比較した結果、「揺れる吊り橋」では渡るときのドキドキ感を、異性に対してのドキドキだと勘違いし、恋愛感情が生まれるというもの。恐怖や緊張によるドキドキは脳が誤って恋愛をしていると勘違いするらしい。

同じようにトレーニングで心拍数が上がっている状態では、脳が恋愛をしていると勘違いをすることが大いにあるということだ。うーん。初めは脳の勘違いでもその後の展開次第で本物の恋に発展することも充分考えられる。

ちなみに筆者の知人(45歳)はスポーツクラブで知り合った年下男性と結婚している。スッピンや水着姿も見られているから、気どることもなく自然体での付き合いから結婚に至ったという。

もし今、出会いがないと嘆いているなら、一度スポーツクラブに足を運んでみてはいかがだろうか? 心拍数を上げれば恋が始まるかもしれない。(オフィスエムツー/佐枝せつこ)





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この記事の執筆者

佐枝せつこ

佐枝せつこ

テレビ局勤務を経て小説を書き始める。著書に第24回横溝正史ミステリー大賞最終候補作「ベッド・イズ・バッド」「家内安全」「光冠」ほか。2007年より「独女通信」の執筆陣に参加。「婦人公論」に母親たちの極寒婚活模様が掲載。婚活、介護、婚外、恋愛など女性の様々な生き方をテーマに執筆活動を展開中。
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