日本には古来より、恋する乙女を後押しする心強いことわざがある。

――据え膳喰わぬは男の恥
(女のほうから言い寄ってくるのを受けないのは男の恥であるということ ※goo辞書)


ところが実際は、勇気を出して告白したもののあっさり断られた経験のある女性は多い。むしろ、うまくいく恋愛は男性側がリードするパターンがほとんどではないだろうか。


■まずはグレーゾーンからのお付き合いを目標に!

恋愛本を開くと、女からの告白は“してはいけないもの”。男性が恋愛にうとい10代ならまだ成功率は高いけれど、20代以降の成功率は特攻隊レベルだという。まれに成就したとしても、男は女の惚れた弱みにつけこんで、傍若無人に振る舞い、浮気をし、あげく彼女とは名ばかりの体だけの付き合いになるのだとか……。ただ男性より先に「好き」と言っただけなのに、昼ドラに出てくる悪役令嬢のような堕ちっぷり。なぜ女からの告白はうまくいかないのだろう? 

「若いうちならまだしも、20代、30代の真剣な告白は重い」とはマスコミ勤務の健司さん(33歳)。

「告白は誰からでもうれしいものですが、年齢を経るほど重みが増してきます。アラサー女性が相手なら、どうしても結婚を視野に入れたつき合いになるからハードルが上がるかもしれません。男でも女でも、思い入れが強すぎる相手からは逃げたくなるもの。とくに大抵の男はライトな関係から入りたいなーなんて考えていますから、鼻息荒く告白するよりも『たまには2人で会いたいなぁ』などと、どうとでも捉えられるようなセリフでアプローチするほうが成功しやすいのでは?」

告白はありがたいものの、イエスかノーかとグイグイと迫られたら、とりあえず「ノノノ、ノー!」と言ってしまうのが男心のよう。まずはグレーゾーンからの付き合いを目標にしたほうがうまくいきそうだ。

■過去の経験がトラウマになっている男性も……

「女性からの告白を恐いと感じる」のは、広告代理店勤務のヒトシさん(35歳)だ。過去に、年齢を15歳サバ読みした女性から告白された経験がトラウマになっているという。

「自分から告白してくる女性に、いい印象をもっていないんです。女性が必死であればあるほど、『裏に何かあるのではないか?』『彼女の真の目的は何か?』と警戒してしまう。最近の男性は“草食”と言われているけれど、本能的には“肉食”。最終的には自分から攻めこみたいと思っています。それなのに女性から攻撃をしかけられると、パッと守りの体勢に入って、逃げたくなってしまうんですね」

告白自体がマイナスポイントになるとは。もはや何も言うまい……。

「いえいえ。男性は鈍感ですから、黙っていたら想いは伝わりませんよ。しかも可能性ゼロの相手よりも、自分を慕ってくれる女性を好きになる傾向はあります。告白するのではなく、飲みの席などで『○○さんはどんな女性がタイプなんですか?』と、意味深な言葉をちょいちょい振ってみると男もその気になりやすいと思います」

■対象外の女性には“好意に気づいていないフリ”

好きな男性に対して、プライベートなメールを送ったりランチに誘ったりと、撒き餌はさんざん撒いたよ! という女性もいるかもしれない。撒いたところで獲物がやってこないからこそ、自ら狩りにいかざるを得ないのだと。「好き」だときちんと伝えれば、男性は振り向いてくれるはず……と、告白に一縷の望みをかける。

「うわ、そういうのが一番ダメ!」。アパレル勤務のカズキさん(30歳)は、思いつめた女心に釘をさす。

「女性がアピールしているのに男性が少しもなびかないのは、好意に気づいていないのではなく、気づいていないフリをしているだけ。その子が許容範囲じゃないんです。気に入っている女性から食事に誘われたら、よほどの事情がない限り、次は男性が誘いますよ。黙っていても、いずれ男から告白するパターンになるはず。ちょっかい出しているのに振り向いてもらえないのなら、その時点で悟ってほしいですね」

恋の勝負は女から告白する以前に決まっていたのだ。「好き」のひと言で形勢逆転するほど人の気持ちは簡単ではなく、決死の告白は、強制リセットボタンを押すのに等しい。ハッピーエンドを望むなら、もう少し機が熟すまで辛抱してみよう。もしくは何も告げぬまま、ひっそり恋を終わらせるのも大人の所作である。(来布十和)

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この記事の執筆者

来布十和

来布十和

出版社、編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーランスライターに。中学生向けから主婦系まで女性誌を中心に幅広く執筆活動を行っている。得意分野は美容、料理、30代女性の恋愛&結婚ネタ。