光文社のビューティ月刊誌『美ST』が主宰する「美魔女コンテスト」が10月29日に開催された。

「美魔女オフィシャルサイト」によれば、コンテストの応募資格は「35歳以上で年齢を感じさせない輝きを持っている女性」。美魔女は40代以上の熟女を指している印象があったが、実は35歳から仲間入りだ。審査内容は自己PR、水着審査、ドレス審査で、実質的にはアラフォー以上のミス・ミセスコンテストといった意味合いが強い。


■美魔女に対する、男性側の意見は…?

ネット上では美魔女に対し、否定的な意見が少なくない。大別すると、(1)いい年齢をしてみっともない、(2)若作りがイタい、(3)美容よりも家族を大事にしろ。小藪千豊の「お子さん育て上げた主婦こそが女の最終形」を筆頭に、はたして批判的なコメントの多くは男性によるものである。

これより以前、バラエティ番組『マツコ&有吉の怒り新党』で、有吉弘行も「50歳で30歳に見えるんだったら、30歳の女がいい」と発言したが、美魔女批判は、実はこの一言に集約されているように思う。批判する男たちは、アラフォーを過ぎた(今年の最終選考には60歳のファイナリストも登場した)おばさんの、ねっとりとしたメス臭を毛嫌いするのだ。

悲しいかな、女は年齢を経るごとに「女」としての市場価値が下落していく。既婚女性であれば、そもそも市場に上がってはならない存在だ。ところが美魔女たちは市場価値などまったく無視。主婦も独身もバツイチも、肌を露わにし、腰をくねらせ、自信たっぷりに性的な笑みを浮かべて迫ってくるように見える。おばさんたちの執念深い猛攻を見て、「いやー、でも俺、おばはんは趣味じゃないんで」と男たちは後ずさりしたくなる。

■美魔女の目的は、同性からの支持を得るため?!

けれど「美魔女」の自己投資は男の目を意識したものなのだろうか? 同性でアラフォーの独女たちなら理解できるだろう。答えは「NO」である。美魔女たちの意識はほぼ100%、女に向いている。日夜必死の努力は、女から羨望のまなざしを得るためといっても過言ではない。

振り返れば、女は小学生のころから「美醜ヒエラルキー」の序列に組み込まれていた。幼少時、かわいければかわいいほど男子からチヤホヤされることを知り、思春期ではモテ格差に打ちのめされる。合コン、飲み会、クリスマス、誕生日と、イベントのたびに、今自分が置かれている“女としての順位”を否応なしに再確認させられるのだ。

選ばれる側にいる人生は、いわばミスコンの連続。少しでも上に這い上がるため、「勉強部門」「キャリア部門」で点数を稼いだり、「性格部門」で優位に立ったりする。

だが、やはり優劣がはっきりわかる「美醜ヒエラルキー」は圧倒的。しかも刻一刻と衰えが進む美魔女世代ともなれば、素材だけの勝負ではなくなる。奇跡の美魔女とよばれる水谷雅子さん(45才)は、毎日5時間のスキンケアを欠かさず、紫外線もほぼパーフェクトにブロックするそうだ。「美魔女」の称号は素材と血のにじむような努力の賜物。ヒエラルキーの頂点に君臨する美魔女たちにとって、「メス臭を感じる」との批判は恐らく養分でしかない。ブスだったら批判すらされないだろう。

ある美魔女を撮影した知人のカメラマンは、「レンズ越しに、芸能人のようなオーラを感じた」と話していた。街行く人が振り返るような美しさがあれば、もはや怖いものなし。女はどんなにキャリアを積んで金を稼いでも「ブスだよね」のひと言で、本人の意思とは関係なしに不幸に分類される。同じように美魔女は「○歳には見えない美しさ」があるから、みっともなくてバカみたいでも、女として格上扱いされるのだ。美しさの結果としてにじみ出るセクシャリティが批判の対象となるのなら、ナチュラルっぽさを装えばいい。YOU、渡辺満里奈、永作博美の路線に切り替えれば、みな何も言うまい。

女は、女子更衣室で同性の目を意識して、勝負パンツを身に着けることがある。「美魔女コンテスト」はまさしく女の女による女のための勝負パンツ。ついでに言えば、ベッド用の勝負パンツは、地味で一見垢抜けない女がすんごいのを履いていたりするのである。自分自身が大好きというだけで、誰にも迷惑をかけていない美魔女、別にいいんじゃないの?(来布十和)

参考サイト:美魔女オフィシャルサイト

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この記事の執筆者

来布十和

来布十和

出版社、編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーランスライターに。中学生向けから主婦系まで女性誌を中心に幅広く執筆活動を行っている。得意分野は美容、料理、30代女性の恋愛&結婚ネタ。