あり得ない? 意外といる? あなたの周りの花咲舞現在、日本テレビで放送中のドラマ、「花咲舞が黙ってない」。原作は昨年大ヒットを記録したTBSのドラマ「半沢直樹」と同じ池井戸潤氏の小説だ。

杏演じる銀行員・花咲舞が、上川隆也演じる上司・相馬健とともに銀行内のトラブルや不祥事を解決していくというもの。第一話から17.2%を記録し、第四話の視聴率も16.3%と、春ドラマの中でもとりわけ高視聴率をキープしている。

一話簡潔で途中から見ても楽しめる物語構成ということもあるが、人気の秘密はなんと言っても、花咲舞の活躍ぶりにある。「女版半沢」とも言われる花咲舞は、仮に自分より立場が上の人でも、理不尽な事態や卑怯な相手に「お言葉を返すようですが」と意見し、トラブルを解決していく。

まさに「弱きを助け、強気を挫く」花咲舞の言動に、「現実にはこんなこと言えるわけないじゃん」と思いつつも、スッキリする人は多いだろう。

では、実際のところ、「リアル花咲舞」は「あり得ない存在」なのだろうか。


■組織の風通しをよくするリアル花咲舞とは

会社員のナナミさん(仮名)は、「うちの会社にも、おかしいことはおかしいと、『ハッキリもの申す』タイプの女性はいますよ」と話す。

「うちの会社の『リアル花咲舞』が社内の全員に支持されているかどうかはわからないけど、私は信頼できる人だなと思いますね。現実社会で組織をよくしてくれるのは、女性でも男性でも、主観や思い込みを持たずに、きちんと議論や対話ができる人だなと思います」

同じく会社員のカオリさん(仮名)の社内にも、リアル花咲舞がいるそう。

「おかしいと思うことにしっかりキッパリ意見してくれる人はいます。さすがにドラマのようにトラブルをスッキリ一発解決、とまではいきませんが。会社の風通しをよくしてくれるのは、ただハッキリものを言うだけではなく、よいものは残し、悪いもの、腐った風習や環境はどんどんなくすよう、上に話をしてくれる人ですね」

やはり社内にリアル花咲舞が何人かいるという会社員のマリコさん(仮名)は、こう話す。

「間違ったことを正せるのは立派なこと。ただ、会社では、ある程度空気を読まなければいけない時もあります。それに、何の役職もない下っ端が騒いでも、まともに取り合ってもらえません。自分より上の立場の人にもの申す時は、それなりの方法が必要だと思いますね。大切なのは、上司から『楯突いている』と思われないこと。戦闘的な喋り方をすれば、相手も身構えてしまうので、もの申す時ほど、穏やかに話さないといけないんですよね」

■支持されるリアル花咲舞の条件は「損得勘定の有無」

同僚がまさにリアル花咲舞だというシズコさん(仮名)は、リアル花咲舞が支持されるかどうかは、「誰のために動いているか」によると言う。

「私の同僚の場合、自分の損得では動かないんです。キッパリもの申すのは、『みんなが困る』という時だけ。お酒の席でパワハラめいた言動をした上司をいさめた時は、周囲からはもちろん、その上司にまで気に入られていました。でも、他の人が同じことをしたら危険だと思いますね。彼女の場合、ものすごく仕事ができるし、誰にでも分け隔てなく接するので、上司からも後輩からも信頼が厚いんです。そのくらい説得力がある人じゃないと、やっちゃいけませんね」

確かに、ただ自分の言いたいことを言うだけでは、「自己主張の強い人」でしかない。「キッパリもの申す人」と周囲が認識するには、説得力が必要なのだろう。特に女性の場合、少しでも感情を出せば「ヒステリック」「感情的」などと言われがち。自分の損得ではない部分でもの申すことができて初めて、支持される「リアル花咲舞」となるのだろう。

そう言えば、半沢直樹も、花咲舞も、仕事ができるという設定だ。しかし、父を死に追いやった上司への恨みを戦うエネルギーにしていた半沢直樹に対し、花咲舞に私怨は一切ナシ。

花咲舞が「自己主張の強い人」ではなく「キッパリもの申す人」に見えるのも、自分の損得とは関係なく奔走するからではないだろうか。意外と身近にいるリアル花咲舞。そう考えると、現実もなかなか悪くないかも。(栗頭渋子)



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