わかっちゃいるのに、SNSで自慢してしまう理由実名で登録している故、いいことばかりを書かざるを得ない「Facebook」はSNSのなかでもリア充専用といわれている。みなが美味しいものを食べ、職場では期待されるポジションに就き、ダイエットは成功。女子会は華やかで、休暇になると彼氏と海外へと飛んでいく……。

何を自慢と捉えるかは読み手側の主観によるが、たとえば男女入り乱れてのおしゃれBBQの写真は、写っている本人がキメ顔だった時点で「ハイ自慢〜」となる可能性は高い。これがまた写真写りがよかったりすると、読み手の印象に残るのは肉の話なんかよりも「男友達がいる私のモテぶり」となる。

自慢と思われぬためにはいっそ投稿しないか、無難な食べ物写真で収めるしかないはずなのに、「いいでしょー?」と言わんばかりの書き込みが、今日もどこかでわんさと流れているのである。よく言えば自己プロデュース力に優れている、悪く言えば自己顕示欲がだだ漏れであることに無自覚な人たち。なぜアノ人たちは黙っていられないのだろうか?


■SNS自慢は形を変えたマウンティング

広告関係の仕事に就くユカ(35歳)さんは、職業柄、撮影やイベントに立ち会うことがあり、仕事で有名人に会うこともしばしば。SNSでは「本日のロケ弁は、キングオブロケ弁の今半でした♪」「○○さんの撮影です。来月のオンエアを楽しみに」など、つい派手な仕事ぶりをアピールしてしまう。

「高校時代の同級生は、家庭に入って育児をしているパターンが多い。友人たちの子どもの投稿が続くと、なんとなく自分だけが取り残された気分になる。あえて独女のリア充ぶりを見せたくて、仕事のことを書いてしまうのかもしれません」

ブラックな思惑通り、コメント欄には友達からの「かっこいいね」「すごーい」という言葉が連なる。
ユカさんの「早くに結婚した友達に対する、バリキャリアピール」は女性特有のマウンティング行動(言外に自分のほうが上であることをアピールすること)だ。しかし、そんなマウンティングポーズを知ってか知らずか、素直に「かっこいい」と称賛する友達のほうが、リア充に見えるという不可思議な光景がそこにはある。金持ちケンカせず的な……。マウンティングポーズはとったら負け、なのだ。


■さんざん他人のリア充ぶりを見せつけられるうちに

実家暮らしで有名企業に務めるキヨミさんのタイムランは、プチセレブな暮らしぶりで埋め尽くされている。

「同僚たちとがぶ飲みしたのが高価なワインだったのに、まったく気づかなかったとか。私自身は、日常にあったおもしろい出来事を書いているにすぎないので、自慢と思われても正直、対応しようがありません」

庶民が庶民の暮らしを綴るように、セレブがセレブな毎日を更新しているに過ぎないという反論。そこにあるのは自慢ではなく記録。見たくなければ見なくてよろしくてよ(とはおっしゃっていませんでしたが)。

えーでも、それだったらあえて書かないという手段もあるじゃないですか?

「たしかに! ただ、私の友達も同じような生活レベルにいて、虎の門ヒルズがオープンするや、高層階のダイニングで彼と食事しているとの投稿もありました。この夏のBBQも行くなら多摩川じゃなくて銀座(BBQ DE GINZA×BBQ Base)になるんじゃないかしら? とにかくハイソな書き込みが多いから、私のはまったく自慢に受け取られていないと思います」

キヨミさんのタイムランを見せていただくと、そこはリア充の巣窟。簡単に言えばあらゆる友達の自慢が連なっていた。これだけ見せつけられたら、そりゃセレブっぷりを披露せずにはいられなくなるだろう。

健全にSNSを楽しむには、不用意な発言を控え他人を中傷しないといったマナーを守ることが大切である。いや、それ以上に売られた自慢を買わない忍耐力も必要なのではないだろうか? 上から目線の発言とかナルシストな写真とかもひっくるめて。ただ黙々と「いいね!」を押す、声なき仲間たちの健闘を称えよう。(来布十和)

<関連リンク>
「彼との会話がはずまない…」そんなときの改善ポイントをチェック!

この記事の執筆者


来布十和

来布十和

出版社、漫画雑誌編集部バイト、編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーランスライターに。アイドル誌、育児誌、主婦雑誌から不動産パンフレット、パワースポット紹介まで手当たり次第の執筆活動を行っている。食べていくため仕事は選ばない主義。