プロよりも素人の料理レシピを参考にしてしまう理由って?SNSなどでときおりアップされる手料理の写真。「美味しそう」といったコメントに対し、「レシピ投稿サイトを参考にした」と返答しているのを見かけることがある。

クックパッドなど、投稿サイトに掲載されているレシピはほぼ一般人によるもの。料理の腕は素人よりもプロのほうが上であるはずなのに、ネットでは素人レシピのほうが重宝されがちだ。人気なのはプロのレシピよりもタモリの料理。タモさんのカレーのレシピは「プレーンタモリ」の名で親しまれ、詳しい手順の動画まで公開されている。

独女通信ユーザーにも料理レシピについてのアンケートを実施したところ、7割が「プロよりも一般人のレシピを参考にしている」と回答した。


一般人のレシピを選択する理由を尋ねると「毎日の料理にプロのこだわりはいらない」「一般人のほうが手順や材料の面で、手の抜きどころを上手に押さえてある」とあった。

たとえばクックパッドには、「あめ色になるまで玉ねぎをじっくり炒めましょう」といった文言は出てこない。超基本の野菜料理「おひたし」であれば、レンジで野菜を加熱したり麺つゆで味付けしたりする。ところがプロの「おひたし」となると、「調理する1時間前から小松菜を水につけておきます」などいきなりハードルが上がるのである。浸している間に、ごはん炊けちゃうんですが……。

プロのレシピについて、「美味しいのかどうか、レシピを見ただけでは味がわからない」との意見もあった。レシピ投稿サイトでは、実際に作ってみた人のコメント数が美味しさの目安になっている。結果、人気のレシピはますますクチコミが集まるため、レシピ検索をしたとき、投稿サイトのレシピがいちばん上に表示されることが多い。そのため、「ざっと内容チェックして、簡単でおいしそうなら、プロのレシピと比較検討することなく使う」と回答した人もいた。

ただし味に関しては、「プロのものよりも、一般人のレシピのほうが採点は甘くなる」との声も。“ねとめし”の代表メニュー「トマト丸ごと炊き込みごはん」が、もしもプロのレシピによるものだったら、ここまで美味だと騒がれなかった可能性は高い。一流の店に行くとなんでもかんでも美味しく感じられるように、一般人のレシピは期待値が低いぶん、実際よりも美味しいと思うことはあるのかも。味覚はゆらぎやすいものである。

 料理教室を主宰する久子さん(仮名)は、プロのレシピの限界を話してくれた。

「プロのレシピはいわば料理の教科書。簡単な野菜炒めを作るにしても、もやしのひげを除くことまで記載します。もちろん、作る人が面倒だったら省略してもらって構わないのですが、プロが監修している限り、きちんと正しく記す必要があるんです。煮物の調味料もすべてを一気に入れるのではなく、砂糖やみりんを加えてから醤油のほうが、味がまろやかになる。若干、面倒になりますが、簡単にみえるからと、省略することはできません」

投稿サイトのように記せないからこそ、プロなのだ。多少、手間がかかったとしても、料理の初心者はあえてプロのレシピを使って、基本を身に着けた方がいいっと久子さんは言う。

一般人のレシピを見てさっと作るか、プロのレシピを丁寧になぞるかはケースバイケース。最後に「プレーンタモリ」は意外に手が込んでいて難しいことを付記しておく。(来布十和)

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来布十和

来布十和

出版社、漫画雑誌編集部バイト、編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーランスライターに。アイドル誌、育児誌、主婦雑誌から不動産パンフレット、パワースポット紹介まで手当たり次第の執筆活動を行っている。食べていくため仕事は選ばない主義。