独女は特に不安!? 結婚のネックにもなる「親の世話・介護」問題経済的に余裕がある、生活の自立ができているなど、「晩婚」にもそれなりに良さはある、そんな意見は多く聞かれます。しかし同時に親の年齢も上がってくるため、「自分の親の世話があるから」「相手の親の介護が迫っていて、ためらう」といった理由で結婚に踏み切れない、という悩みを抱える人も。「親の世話や介護」が結婚のネックになった、という人たちを取材しました。


■ 「介護の辛さ」はひとりでは抱えきれないけれど……

まずは、40代前半の女性Sさん。ひとりっ子の彼女は、一昨年亡くなるまで父親の介護をメインで行っていました。近くに頼れる親戚はいないし、母親も体が弱り、痴呆も少し始まっている状況のため、近い将来、今度は母親の世話が控えている状況だとか。同年代の恋人がいて結婚話も時々出るものの、「こんな状況で結婚しても、迷惑をかけるだけ」と消極的。ただ、介護は本当に辛い作業のため、話を聞いてくれる恋人の存在はとても有難く、できれば別れたくはないと言います。

「せめて兄弟がいれば、もう少し分担できるのにと思います」と語っていましたが、兄弟がいても、必ずしも頼りになるとは限らないもの。40代後半のTさんには兄がおり、お兄様が母親と同居しているそうですが、要介護の母親は「世話はTでなくては嫌だ!」と駄々をこねるため、都内に住んでいるTさんが週に4日ほど、片道3時間の実家に通っているそうです。

介護はデリケートな部分もありますし、専門職の方でない限り、衣食住の世話は女性にやってもらったほうが色々と気が利いて、親も楽なのでしょう。「息子より娘に面倒を見てもらいたい」と思うお母さんの気持ちもよくわかりますが、そんな生活のなかでTさんは長年の恋人と会えなくなり、最近別れてしまったそうです。「相手にも年老いた親がいたし、正直、両方は看きれないなと。寂しいけど、これで良かったんだと思います」とのことでした。

■ 女性は男性に比べ、「介護への不安」が大きい!

どちらのケースでも、独身女性は、介護の“メイン従事者”として期待されていることがわかります。昨年の『介護の不安に関する調査』(全国20歳〜69歳の男女6195人対象、株式会社明治安田生活福祉研究所調査)でも、介護未経験者の女性が将来介護すると考える相手は平均「2人」で、男性の「1.4人」を大きく上回る結果に。女性のほうが、「自分が看なくては」と覚悟している人が多い、ということですね。

また、「将来自分を介護してくれると思う人」の項目でも、「自分は“配偶者”に介護されるだろう」と期待している男性は女性より多く、その女性自身も“娘”に介護の期待をしていると約2割が回答。男性は女性に介護してもらいたい思いが強く、女性も、女性の血縁者に期待する。独身女性だとなおさら、その役割を期待されることが多いのだろうと推測できます。上述のSさんは、親の介護をするなかで、ふと「将来は一体、誰がこんな風に私を看てくれるんだろう」という不安に襲われる瞬間もある、という切実な心情を語ってくれました。

■ 介護と子育て時期が重なると、女性は超大変になるケースも。

さらには、こんな意見も。40代中盤で出産したAさんは、子供に手がかかる、まさにその時期に母親が脳梗塞で倒れ、本当に大変だったとか。仕事もしているAさんは毎日、病院、保育園、職場と飛び回り、目の回る忙しさだったそうで、「母親が倒れたので、父親のご飯の世話まで必要でした。孫の世話を期待するどころじゃなかったですね。遅く産んだ自分の責任ですが、これも早く産んだほうがいい理由のひとつかもしれません」としみじみ。様々な有料サービスを利用しまくってなんとか乗り切ったとのことで、「多少、蓄えがあったことだけが救いですかね(笑)」とも語っていました。

超高齢社会がすぐそこまで迫っている今、どの人にとっても、介護は他人事ではないですよね。兄弟姉妹がいるか、親戚構成や住む地域、仕事の将来設計なども含め、自分の場合はどんな事態が予測されるか、今のうちから少し考えて家族とも話し合っておくと安心かも。結婚するかどうかという際にも熟慮したい、重要なテーマとなるのではないでしょうか。(外山ゆひら)

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外山ゆひら

外山ゆひら

心や生き方に関する記事多めのライター。恋愛相談コラムや作品レビューなども。カルチャーやエンタメ方面を日々ウォッチしています。