今、注目を集める『地元婚』の良し悪しダサい代名詞でしかなかった「田舎」。ところが、ふるさと納税が全国各地で人気になったり、自然が多く住みやすい環境が見直されたりして、今や「田舎」や「地元」は好意的な印象が持たれている。

最近では、そんな風潮がウエディング業界にも注がれているようだ。

都内有数の結婚式場 椿山荘では、新郎新婦の思い出の一品または生まれ育った土地の食材を使った一品を披露宴の料理メニューに織り込んだり、引き出物に出身地の名産品を加えたりしている。ほかにも、そうしたニーズに応えることができる式場が増えているそうだ。

実際に、地元愛にあふれた結婚式に参列したことがあるという雪子さん(37才)はこう言う。


「都内での挙式でしたが、新郎の地元が新潟ということで、披露宴のメニューに希少な純米吟醸酒と南蛮海老が盛り込まれていたり、引き出物には愛知出身の新婦が選んだ『きしめん』が入っていました。料理や引き出物は楽しみのひとつですが、美味しいとか豪華とかだけじゃなくて、ふたりのゆかりの名産品が入っていると、結婚式に温かみを感じられますよね」

また、地元民にもこんな感動が。
「友人Yが地元(茨城)で結婚式を挙げました。私も地元っ子なんですが、名物といわれるアンコウを食べたことがなくて、式の料理で初めてその味を堪能。すごくおいしかった!」と、評価は上々。

都会に住んでいるカップルが、あえて新郎または新婦の地元で挙式するというケースもあるという。

結婚情報誌『ゼクシィ』(リクルート)のHPでは「地元に帰ろう&旅をしよう婚。」特集が組まれ、熊本県と秋田県で地元婚をしたカップルの様子が伝えられている。記事によれば、地元で挙式する利点は高齢だったり、体の不自由な親族にも参列してもらえることや、地元を知らないゲストにも故郷の魅力を伝えられることを挙げている。

新郎新婦だけでなく、ゲストもほっこりさせてくれる地元婚。だが、「地元愛が強すぎるのも困りもの。新郎新婦が楽しいことはみんな楽しいとは限りません」というのはミサトさん(40才)。

「友人のナオコはバカがつくほどの祭り好き。地元で結婚式を挙げた時には、祭り仲間が余興をして盛り上げてくれたんですけど、お酒が入ってどんどんお祭りモードに……。いちばん見せ場の新婦のお手紙を読む場面で、大きな声でちゃちゃを入れたり、手を叩いて大声で笑ったり、もうサイアクでした。ナオコも一緒になって笑ってるから“ちゃんとしてよ”って思っちゃいました」(めぐみさん・37才)

よそ者には乗り切れない“地元のノリ”。家族や親族がいることも考慮して、おふざけは二次会に回していただきたいものだ。

また実家の環境や地元の風習により、想定外の披露宴になることもある。

「地元の有力者(の一族)と幼馴染が結婚。披露宴の招待客は約300人くらいいて、いろんな人が代わる代わる挨拶をしたり、余興があったりして終わるまでに5時間くらいかかりました。料理もお酒も、県外から来る私にリッチなホテルも用意してくれたけど、正直、しんどかった…」(ともみさん・30才)

結婚式(セレモニー)の所要時間は約1時間、披露宴は約2時間といわれている。地元の風習によっては長時間披露宴を行う地域もあるそうなので、そういった結婚式に参列する場合は、事前に確認してもいいだろう。

ある意味では、想定外だからこそ楽しめるのが地元婚なのかもしれない。少し不安な気持ちを抱えながら、まだ知らない文化に触れつつ、どこかほっこりする一幕もある。友人の幸せを祝いつつ、自分ならどんな結婚式にするか、策を練ってみよう。(パンチ広沢)


<関連リンク>
御祝儀だけじゃない! 正直、「人の結婚式」に納得がいかないことは?

この記事の執筆者


パンチ広沢

パンチ広沢

今ごろになって東京スカイツリーに行ってみようと思います。登りながら独女らしい切り口が見つかったら記事にします。独女らしい楽しみ方、募集中!