ブータンの人々に学ぶ! 「しあわせな人生」を送るための2つのコツ先日、ブータンで働く31歳・日本女性のドキュメンタリー番組が放送されていました。彼女はキャリア官僚と結婚したものの、自身の夢だった海外での仕事を諦めきれず単身赴任。しかし遠距離となったことで夫と心が離れてしまい、数年前に離婚。傷心の彼女は『しあわせの国』と呼ばれるブータンで働くなかで、現地人男性からの求愛も受け、これからの未来をどうするか模索していました。


■「心を穏やかに保つための時間」が、もっと毎日に必要なのかも!?

ブータンは昔の日本のような面影を持った国ですが、インターネットやバーなどの近代文化も急速に広がっている、発展中の国です。特徴的なのは、彼らが“幸福水準”を最重視している点。「GDP(国内総生産)」ではなく、独自の「GNH(国民総幸福量)」という指標を用い、急がずゆっくり、国民が幸福を感じられるような発展を目指しているそうです。
彼らの多くはなぜ幸福に、満ち足りて暮らせているのか。現在開催中の『ブータン展』なども参考に私たちとの違いを見つめてみたところ、以下2つのポイントがあるように感じました。

(1) 私たちは、「心を穏やかに保つために使う時間」が少ないこと
(2) 「自分にとっての心地よさ」が分からない人が少なくないこと

まずは1つ目。ブータンの人々は、一日平均1時間半もお祈りに時間を使うそうです。子どもたちですら学校帰り、友達と連れ立って自主的に寺院へ祈りに来る。無論、こうしたものへの好き嫌いや向き不向きはあると思いますが、心の平穏を保つにあたって、瞑想や祈りの効果はかなり大きそうです。

日々を振り返ってみれば、「自分の心を良い状態に保つための手段や時間」を、私たち日本人はあまりルーティンとして持っていないですよね。スポーツや表現活動等で健康的にできている方もいますが、お酒を飲んで愚痴を言ったり、インターネットや電車で見知らぬ人に毒を吐いてみたり…といった手段しか持たない場合、負のループに陥り、幸福感とは程遠い精神状態になってしまうことも。

ストレスの多い現代社会。ブータン人にとっての“お祈り”のような「自分の心を穏やかに保つ」ための手段は、私たちもぜひ持っておきたいものですよね。美術や音楽に没頭するもよし、裁縫や陶芸など好きな手仕事をするもよし、意識的にネットから離れ、散歩するもよし。毎日30分でもいいのでそうした時間を持つことができると、思った以上に日々快い精神状態で過ごせるようにも思います。

■ 満足できないのは、「自分にとっての心地よい人生」が分からないから!?

続いて2つ目。何に幸福感を感じるかは、人それぞれ。しかし日本人は、自身のしあわせや楽しさを「他者基準」や「皆と同じ」「誰かにこう見られたい」という基準に頼りすぎている傾向がありますよね。ある種の国民性とも言えますが、そのせいで、「私はこうするのが心地いいから、こうしよう」と生きることが難しいムードもあります。しかし、そのように小さな意思決定ができないでいるからこそ、「私はこの生き方でいいんだ」という大きな自己肯定や満足感を手にしづらいのかもしれません。

ブータンの人々は、「私はこれが心地いいので、これがいい」と満足するのが非常に上手なように見えます。『ブータン展』内には「ブータンしあわせシアター」という部屋があり、そこでは老若男女の人々が心地よく感じられる瞬間(=セムガェ)について紹介されていますが、商売の手伝い、お祈りをする時間、親を支えることなど、皆「これが自分のセムガェなのだ」と楽しそうに笑っていたのが印象的でした。

彼らだって、悩みや不満の種を挙げようと思えば、限りなくあることでしょう。それでも、「自分基準での心地よさ」を大切にし、今あるものや毎日に満足することを忘れず、そして「心の平穏」にもきちんと意識を払って暮らしている。私たちもこの姿勢を見習えば、もう少し笑顔で満ち足りた日々を送れるのではないかな…と感じさせられました。

『ブータン展』は7月18日までの開催。「最近しあわせを感じられていない」という方は、ぜひ一度訪れて、自分なりのヒントを探ってみてはいかがでしょうか。(外山ゆひら)

Photo credit: whl.travel via Visual hunt / CC BY-NC-SA

『ブータン~しあわせに生きるためのヒント~』
会場:上野の森美術館
会期:2016年5月21日(土)~7月18日(月・祝)
開館時間:10:00~17:00(※最終入場は閉館の30分前まで) 会期中無休
料金:一般1,400円、大学・高校生1,000円、小学・中学生600円
公式サイト:ブータン~しあわせに生きるためのヒント~

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外山ゆひら

外山ゆひら

心や生き方に関する記事多めのライター。恋愛相談コラムや作品レビューなども。カルチャーやエンタメ方面を日々ウォッチしています。