一般的な結婚がすべてじゃない! 事実婚という生き方テレビ番組で、タレントの藤崎奈々子さん(38才)が一般男性と10年間事実婚をしていると告白した。付き合いはじめて間もなく、お互いに結婚したいという気持ちはあったが、「結婚したらすぐ子供が欲しい」という彼と「まだやりたいことがある」という彼女の気持ちがすれ違ってしまった。しかし以降も仲良く関係を続け、現在に至る。二人はこの先も一緒に暮らしていく気持ちはあるが、一度タイミングを失ってしまったせいで「いつ結婚したらいいか(わからない)、結婚迷子です」と笑っていた。

女優の萬田久子さん、ミュージシャンの椎名林檎さん、女優の後藤久美子さんなど事実婚をしている有名人は少なくない。報道ではみなさんそれぞれに子供もいる。

それにしても、なぜ法律婚(一般的な結婚)でなく事実婚を選んだのか? 違いはどこにあるのだろうか?

さまざまなスタイルでも幸せに暮らすカップルの形を紹介した『オトナ婚です、わたしたち:十人十色のつがい方』の著者で、事実婚カップルにも詳しい大塚玲子さんに事実婚について聞いた。



「彼らになぜ事実婚を選んだか聞いてみると、“なんとなく流れでそうなった”とか、“苗字が変わるのがいやだったから”などの理由をよく聞きます。表面的には法律婚をしているカップルと変わりないですが、法律上の縛りがない分、“夫婦として一緒にいたい”という気持ちを大事にしている印象があります」

お互いの気持ちがいちばん大切だ。とはいえ、法律婚でも同じ気持ちの人はいるはず。法律婚と事実婚のメリットとデメリットはどこにあるのだろう?

「メリットは、まず改姓しなくて良いこと。また、法律婚のカップルのように、実際には関係性が壊れているにもかかわらず無理やりいっしょにいる、というようなことも起きません。特に芸能人の場合、別れても「離婚した!」などといちいち大騒ぎされないで済むのもいいところです(笑)。

デメリットは税金がらみの部分です。パートナーの相続は、遺書があれば可能ですが、法律婚の場合に比べて相続税が高くなります。配偶者控除も受けられないのですが、これは自分である程度稼いでいる女性には関係ないでしょう。そのほか、夫婦であるという関係性が世間からなかなか認められにくい、ということもあります」

事実婚は法律上で婚姻関係と認められないが、役所で手続きをすれば住民票に関係性を記すことができる。また、法律婚のように健康保険や年金、行政のサービスなども受けられるし、民間のサービスでも通信料金や航空会社のマイレージなど、家族だけの特典が受けられることもある。

最後に、さまざまな“つがい”の形を見てきた大塚さんに、“幸せな結婚”とはどんなものか聞いてみた。
 
「本人同士がいいと思っていること、それだけじゃないでしょうか。人って、関係性とか愛情といったものに形を与えて“目に見えるもの”にしたくなるものでしょう。でもそれは法律婚をしなくても可能です。たとえば、結婚式等による“周囲からの承認”だったり、“おそろいの結婚指輪”だったり、“ふたりの子供をもつこと”だったり。もちろん何もしなくてもいい。ふたりが自分たちの関係性に安心していられれば、どんな形でもいいのではないでしょうか」

内閣府が発表したレポート『結婚行動における新しい流れ』では、価値観の多様化による近年の事実婚について言及。そのうち、自分の仕事を持っていて経済的にも自立した女性の割合が高いことも興味深かった。

仕事も結婚も続けたいという独女世代には嬉しいこともある事実婚。親は法律婚のほうが喜びそうだし事実婚がいいというわけではないが、自分の幸せでなければ意味がない。素直な気持ちでパートナーとの生き方を選ぼう。(パンチ広沢

<取材協力>
大塚玲子(http://ohjimsho.com/

オトナ婚です、わたしたち: 十人十色のつがい方
大塚 玲子
太郎次郎社エディタス
2013-02-20



PTAがやっぱりコワい人のための本
大塚 玲子
太郎次郎社エディタス
2016-08-03



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