1人暮らし男性の部屋にある「みりん」の意味を考える先月、テレビ番組で西川史子さんが一人暮らしの男性の家について「戸棚、トイレ、全部チェックして〝みりん〟があったら終わり。女がいるな(と思う)」と発言し、話題となった。

何十年前から耳にしている定説だが、言うまでもなくこれは〝男性は料理をしない、もしくは苦手〟ということが前提となっている話だ。しかし現在では料理をする男性は珍しくないし、西川さんが発言した席に同席していた「スピードワゴン」の小沢一敬さんもみりんについて「週に2回は買いますよ」と発言。実際話題となったのも「今どきそんなことない」という類の批判が主であった。


■ 煮物を作る際に使う「みりん」と「酒+砂糖」の違いは?

近年は「仕事終わりにちょっと一杯」という付き合いを敬遠し、「家飲み」と言われるスタイルを好む男性も増えた。それに伴い「居酒屋レシピ」が注目され、レシピに必要なみりんを買いそろえて料理をする男性もたくさんいるだろう。そう考えると確かに彼女がいない1人暮らしの男性でもみりんを買う機会はありそうだ。

だが改めて問いたいのは、果たしてそういった男性はもちろん、普段料理をする女性たちも「みりん」の役割をきちんと理解できているのか? ということ。


正直「レシピにあるからなんとなく」「煮物に入れるとなんとなく美味しくなりそう」という漠然とした理由で使ってはいないだろうか? 煮物を作る際、酒と砂糖で代用するとどんな違いがあるのか、家にみりんがある人は全員きちんと答えられるだろうか。筆者の家にもみりんがあるが、正直よく分かっていない。つまりみりんがあるからといって料理上手とはいえないのである。

そこで今回は改めて「みりん」についていろいろと調べてみることに。


■ 煮物にみりんを入れることで煮崩れ防止効果も

まず前述の「酒と砂糖で代用するとどんな違いがあるのか?」という疑問について。「全国味醂協会」の公式サイト等によると、一番わかりやすい違いは「照り」と「ツヤ」を出す効果だそう。例えば「ぶりの照り焼き」や「里芋の煮物」を砂糖・酒・しょうゆで作っても照りの量は半分以下。また「甘味」も砂糖を使うと「ショ糖」だけの甘味だが、「みりん」は「ブドウ糖」や「オリゴ糖」などいろいろな種類の甘味が入っているため、より上品な味に仕上がるのも特徴だそう。

さらにみりんにはアルコール成分により食の組織を引き締める効果があり、結果「煮崩れを防ぐ」という役割もあるという。そのために肉じゃがなどの煮物に向いているとされるが、このあたりの理由が「みりん=和食に使う=料理上手」という図式を作ったのではないか?

ただみりんにも欠点がある。食の組織を引き締める効果があるため、動物性たんぱく質である肉を柔らかくする際に入れるのには不向き。そのため豚の角煮などでは使わないことが多いのだ。

ちなみにこれまで述べたみりんの効果について、これはあくまで「本みりん」と呼ばれるアルコール分が14%含まれている調味料のこと。スーパーには「本みりん」のほか値段が安い「みりん風調味料」というものもあるが、こちらはアルコール分が1%未満しか含まれていない。つまり「みりん風調味料」では、煮物の煮崩れを防ぐのはかなり難しいだろう。

■ チェックするべきは「本みりん」か「みりん風調味料」か!?

以上のことを考えると、台所にあるのが「本みりん」か「みりん風調味料」かをみると、ある程度その人の料理に対するこだわりが分かるといえそう。ほとんど減っていない「みりん風調味料」があるだけなら、「レシピにあったから買った」という理由で購入しているに過ぎない可能性もある。もちろんこれは一人暮らしの男性だけではなく、女性にも言えることだが。

逆に1人暮らし男性の家にばっちり使っている「本みりん」があったら……当然煮物を得意とする彼女が頻繁に料理している可能性もあるが、今の時代は男性が自らこだわって煮物をつくるために本みりんを使っていることもありえる。前者は当然嫌だけど、正直後者でも「料理に対して強いこだわりがある」という意味で、女性としてはプレッシャーかもしれない。

そう考えると要注意なのは1人暮らしの男性の部屋にある「本みりん」だ。「みりん風調味料」との違いは、色ですぐわかる(本みりんは色が濃い)。意中の男性の家に行った際はぜひチェックを(橋口まどか)。

(参照サイト)
・全国味醂協会(http://www.honmirin.org/index.html
・三州三河みりん(http://www.mikawamirin.com/

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