実はクリエイティブ! 結婚しても続けたい『農業女子』になったワケ農水省が発表した平成27年度における国産の食料自給率は39%しかないが、その一方で49才以下の新規就農者数は平成19年に統計を開始してから最多の2万3030人となった。

新規就農者のなかには女性もいるのだろうか? いろいろ調べているうちに、農水省が推進する『農業女子プロジェクト』に行き着いた。

農業女子プロジェクトは、全国にいる女性農業者の知恵と様々な企業のノウハウを結びつけ、新たな商品やサービス、情報を社会に広く発信し、農業で活躍する女性の姿を知ってもらうことをコンセプトに活動している。

企業やメーカーと農作物を使った新商品の開発や、女性でも楽に扱える農機具やおしゃれな作業服の提案、ライフスタイルの提案などその活動は幅広く精力的。楽しそうに見えるが、やっぱり仕事となると生半可な気持ちではできない。彼女たちはなぜ農業を職業にしようと思ったのだろう?


茨城県水戸市のドロップファームに所属する河西ほなみさん(25才)は、独女世代の農業女子メンバーだ。実家が花や野菜を生産する農家だったので就農はごく自然なことだったという。

「高校卒業後は農業の専門学校に入学し、有機栽培、多品目の栽培の知識、経験を得ました。今は先進的なアイメック農法で作るフルーツトマトを栽培しています。水や農薬も少なくて済むうえに病気に強く、高糖度で栄養価が高いトマトが実るんです」

自分が育てた作物がスーパーやデパートの店頭に並んで、手に取ってもらう喜びは何物にも代えがたい感動があった。

「実は、それほどトマトが好きではありませんでした(笑)。でも、このフルーツトマトなら何個でも食べられると思えるほどおいしくて! きっとトマトが嫌いな人も美味しく食べられると思うし、プレゼントしても喜ばれるものだと思いました。それから、自信を持っておいしいと胸を張れる作物を育てていきたいという気持ちが強くなったんです」

しかし、実家が農家なのだからそこでトマトを作ればよかったのではないか。なぜ河西さんはドロップファームに入社したのだろう?

「いろいろな経験がしたいというのがいちばん大きいですね。安定した月給をいただきながら、生産から販売まですべてに関わることが出来ます。
問題があっても会社のみんなで考え、解決することが出来るし、栽培する楽しさや喜びを会社のみんなで分かち合えるのは、農業法人に就職するメリットだと思います。自分の畑を持つと、これだという作物を決めて種(苗)、肥料、必要な機材などを揃えなければならず、莫大な費用がかかるし失敗は許されません。でも、ここなら大好きなフルーツトマトの栽培に没頭できるんですよね」

とはいえ、仕事中は重いコンテナを持ち上げたり、立ったり、座ったりの作業を繰り返すなど体力勝負。作物の出来は天気次第で劇的に変わることもある。ほぼ毎日手を休めることもできないのだから、側から見るよりもしんどい。それでも河西さんは「この仕事が好き。結婚して子どもが生まれても可能な限りこの仕事を続けていきたい」と語る。

「自然と共存していくのは大変な部分もあるけれど、作物が育っていく過程を見るのは楽しいですし、四季を感じながら生きていくのはいいものですよ」

デスクワークが主な筆者とは逆の生活をしている河西さんは、ある意味“人間らしい生き方”をしていて羨ましい。彼女にとって農業は天職なのだと感じた。(パンチ広沢

・農業女子PJ 公式サイト
https://nougyoujoshi.maff.go.jp
・ドロップファーム
https://dropfarm.jp

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