「今日も終電……」ブラック企業で独女は幸せになれるのか?「今は仕事が楽しいから」

「結婚願望がない」という独女による、ありがちなこの答え。仕事が楽しいというのはいいことだし、結婚よりも仕事という価値観は何ら否定されるものではない。

だが「仕事が楽しいから」という独女の中には、時間外労働が当たりの、いわゆる〝ブラック企業〟に勤めているというケースも少なくない。帰りはいつも終電か、ひどい場合だと会社に泊まり込む。その結果慢性的な睡眠不足という状態で、さらに休日もろくに取れない。

そんなひどい環境でも20代くらいの独女だとも若さと体力があるので、なんとか乗り切れてしまう。彼女たちは忙しすぎて独り身でも寂しくないし、将来のことを考える暇もない。



■ 若い頃はいいけど、気力と体力は無限にあるわけじゃない

そんなブラックな環境で働く独女たちを、複雑な気持ちで見つめる人たちがいる。それはかつて自分も同じ境遇だった、アラフォーの女性たちだ。

「若い頃は気力も体力もあるから無理もできる。でも気力と体力は無限にあるわけじゃないんです。よっぽどの信念や賃金などの見返りがないと、ずっと続けるのは無理ですよ」

そう語るのは現在個人事業主として働くヨウコさん(35歳)。ヨウコさんは大学卒業後から出版関係の会社に就職。昼夜働き続ける生活を送ったが、30歳になって「このままだと壊れる」と退職した。

「女の先輩たちも30歳ごろにどんどん辞めていました。若い頃は『せっかくキャリア積んでいたのにもったいない』と思いましたが、私もいろいろあって30間近に精神を病んでしまい……。先輩たちが30歳ごろに退職する理由がようやくわかった気がしましたね」

一方過去に音楽業界で働いていたハルコさん(39歳)は、入社したばかりの時に30代の先輩女性たちのやつれ具合に恐怖を感じたという。

「ライブなどもあるので実質365日体制のようなもの。とにかく先輩女性たちはみんなものすごくやつれていました。みなさん仕事はできるけど、結婚もできずにどこかむなしそうで……」ハルコさんはその後すぐ退職、別の音楽関係の商社に入社した。

「その会社では遅くても夜7時に帰宅できました。そこに勤めている女の子はみんな楽しそうでしたね」

■ ブラック企業を辞めるのは怖くない! いつでも逃げる準備を

実は筆者自身も若い頃はブラックな環境で昼夜問わず働いていた経験を持つ1人だ。あれから10年以上経過しているが、周囲を見渡すと筆者を含めアラフォーとなっても同じ職場で馬車馬のように働き続けている女性は、ほぼいない。皆何かしらの方向転換をしているのだ。

ただ方向転換の際、ブラックな環境で働いた経験が役に立つケースはあるようだ。

「ブラックな環境は改善されるべきというのは大前提ですが……」と断ったうえで、前述のヨウコさんは語る。

「馬車馬のように頑張ってきたおかげで、仕事のスキルは高くなったと思います。私は個人事業主として仕事をしていますが、それなりに仕事が途切れないのはそのおかげ。あと当時はとにかく忙しくてお金を使う暇もなく、けっこう貯金できました。それも個人事業主として働く資金としてすごく役に立ちましたね」

とはいえ重ねて書くが、ブラック環境は美化されるものではない。ヨウコさんはたまたまブラック環境である程度のスキルアップができたが、それは運がよかっただけかもしれない。人によっては体も精神もボロボロになって回復できない人もいるだろう。

今ブラックな環境に身を置く若い独女に言いたいのは「辞めることは怖くない」ということ。辞めてもスキルアップできるチャンスはあるし、結局この環境でずっと働き続けるのは難しい。自分自身が壊れないためにも、いつでも辞める準備はしておくべきだ(橋口まどか)。

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